モノづくりの創造性を喚起する仕組み
GrabCADは3DCADデータのダウンロードサービスを提供するサイトで約97万人のデザイナー・エンジニアが登録し、33万点の3DCADファイルがアップされている。
今回GrabCADは来年のカリフォルニアで開催予定の3Dプリンター万博に向け新たなキャンペーンを開始した。
発表されたキャンペーンはギアシステムコンテストを募集するもので、3DCADデータによるギアとギアシステムを募集するもの。
受賞者には賞金だけではなく、2014年1月31日に開催される3Dプリンター万国博覧会のレセプションで作品が発表されることになる。
GrabCADに登録しているユーザーはメーカーのデザイナーやエンジニア、発明家が多く、新たな創造性のあるギアシステムに賞が与えられることになる。
審査に関してはGrabCADの専門家だけではなく、3Dプリンター万博を主催する3dprinterworld.comとエンジニアリング製品の製造設計会社GoEngineerの専門家が審査にあたるとのことで5位まで決められる。ちなみに条件や概要は以下の通り。
必要条件
- ギア:3つ以上のギアで構成されていること、歯車が自由に動き、相互に依存していること
- 完成品:3Dプリントされ、モデルが正確に機能し、完全に組み立てられた状態であること
- ファイル形式:STLファイル
- 添付ファイル:CADデータ、デザインの説明、レンダリング(3つまで)
- サイズ:5インチ(12.7㎝以下)高精度のStratasys FDMプリンタを使用して
- 審査基準:3Dプリント適性、創造性、デザイン性、品質
- 賞金:優勝1万ドル、2位5000ドル、3位3000ドル、4位1000ドル、5位1000ドル
- その他:オリジナルであること、他社の特許、意匠権、商標権、著作権等の知的財産権を侵害しないこと
応募されたギアシステム
まとめ
GrabCADのイノベーションギアチャレンジは、既存のモノづくりに新しいアイデアや創造性が生まれることを狙った取組だ。
GrabCADは以前にも似たような取組をメーカーとコラボレーションすることで行っている。
2013年10月に開始されたプロジェクトはエレクトロニクス企業のリーディングカンパニーであるGEとコラボレーションし、GEのジェットエンジンブラケットのアイデアやコンセプトを募集するキャンペーンだ。
今回は3Dプリンター万博と合わせた募集コンテストだが、両方のプロジェクトで共通する部分はクラウド上に蓄積された不特定多数の人々から、より優れたアイデアと創造性に富んだ製品を生み出させることにある。
現在12月現在でGrabCADに登録しているデザイナーやエンジニアは約97万人にのぼっており、2か月前の10月時点では約89万人であった。
わずかな期間で登録するユーザーが8万人も増えており、拡大すれば拡大する分だけ、多くの人間から優れたアイデアや斬新な製品コンセプトが生まれることになる。
アメリカではこうしたクラウド上に蓄積された不特定多数の人間の力を上手く方向づけることにより、新しい製品開発に結び付ける取り組みが行われている。
GrabCADは3DCADデータをクラウド上に集積することで新たな製品開発、技術開発の役割を担っていると思われる。
イノベーションギアチャレンジの結果発表はこちら
GeabCADとGEのコラボレーション記事はこちら
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