日本の中小企業がグローバル競争に打ち勝つには

By | 2013年9月26日
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日本企業とグローバル化の問題

基本的にメディアやビジネス書などに取り上げられる企業の成功事例は、ほとんどが大企業の成功モデルばかりです。

トヨタ、ホンダ、マイクロソフト、アップル、グーグル、フェイスブックなど、世界市場において圧倒的な認知度をもっており、その成功の秘話は尽きることなく語られています。また、最近ではテレビ番組などで日本企業の海外進出の成功例などがよく放送されますが、ほとんどが大企業の進出事例ばかり。

最近では、「日本企業はまだここが凄い!」「技術力がまだ高い!」「世界でこんなにも市場シェアをとっているんだ!」というような自画自賛しているビジネス系番組がよく見られます。

しかし本当にそうでしょうか?

各国の輸出依存度を示した比率データを見てみると、日本はGDPに対して占める輸出の割合が非常に低いとされています。また、輸出を占めるほとんどが自動車が占め、大手メーカーの製品になっています。

大手メーカーの製品が輸出されれば、その製品に必要な中小企業の部品メーカーも潤うから実際はもっと金額が多く、中小企業にとってもメリットがある、などの意見もありますが実際にはそんなに単純な問題ではないと考えられます。

輸出依存度

グローバル化できていない日本の中小企業

自動車産業に代表されるようなグローバル製造業が世界市場で躍進を続ける中、一方でグローバル製造業を支えている日本国内の中小企業は1990年以降停滞しており数も減少の一途をたどっています。

語弊を恐れず非常にざっくりとした言い方をすれば、日本の大手メーカーは各部品を製造する中小企業から各パーツを集め、組み立てて最終製品化し、ブランド展開して販売を行います。

しかし、一度そのブランド製品の市場シェアを奪われてしまうと、その製品を構成しているパーツの供給企業も共倒れで影響を受けることになります。

企業数推移

また、製造現場が海外移転した場合にもおなじように日々の売り上げに影響をうけます。

さらには、一つの業界に競合するグローバル企業が多数存在し、海外の企業と比べ、利益率が低いとされています。

企業利益率

中小企業が毎年減少し、人口が減少し続け日本国内の市場が縮小していくことが必須のような状況では、中小企業が独自に製品開発を行い、マーケティング戦略をたて、販売とサービスを独自に展開し、世界市場に打って出ていく必要があると考えられる。

こうした中小企業のこれからの在り方を考えた場合、大企業のビジネスを例にした成功モデルは中小企業がビジネスを展開していくうえであまり当てはまらないのではないでしょうか?

グローバル市場でトップシェアをもつ中小企業

グローバル市場で成功している中小企業を分析した本「隠れたチャンピオン」では、ドイツの中小企業を中心に分析を行い、ある特定の分野の市場において世界中で圧倒的なシェアをもつ企業たちが多く存在していると言われている。

本書ではある特定の分野でグローバル展開する中小企業を多数紹介すると同時に、こうした企業たちがもつ共通する原理を非常にわかりやすく解説している。

紹介されている企業たちはすべて中小企業であり、大半が中規模企業だ。この企業たちは「隠れたチャンピオン」と名付けられ、その分野や業界の人間にはよく知られているが、一般的にはほとんど知られていない無名の存在である。

しかし、彼らがフィールドとしている市場では、世界市場の50%以上のシェアをもっており、なかには90%以上のシェアを占めていることもあるという。

紹介されている内容を非常にざっくりとまとめると

  1. 全世界の中規模の世界市場リーダーの60%がドイツ語圏から出ている
  2. ドイツは過去五年間輸出金額で世界第1位の国
  3. 世界市場のリーダーが1300社以上存在する
  4. オーナー経営が多い
  5. オーナーの出身地に立地しており、地方に分散している
  6. 創業直後からグローバル展開している
  7. 商社を通さず直販体制をしいており、グローバルな顧客ネットワークを持つ
  8. 事業の核となる装置、器具は内製して利益率が高い
  9. 新技術を柔軟に取り込んだり水平思考で製品開発を行う
  10. 売上の85%が直近4年以内に開発された製品

この名著で紹介されている原理は、いままで大企業をモデルにした事例や経営書とは一味違うもので、中小企業や特定分野に特化している専門企業が海外でグローバルに事業を展開していくには大いに参考になるのではないかと考えられます。

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