3Dプリント技術の利用が盛んなフォード
フォードは自動車メーカーの中では最も3Dプリント技術の使用に経験が深い企業だ。
その歴史は既に25年近くにもおよび、現在でも多くの試作品やエンジンパーツを3Dプリンターで製造している。フォードの代表的な大ヒット車種マスタングの新機種などでもエンジン用のパーツは3Dプリント技術が使用されているほどだ。
どちらかというとハードな製造現場よりの3Dプリント技術の利用を行なうフォードだが、エンドユーザー向けのちょっと変わった取り組みを発表している。
それはスロットカーの3Dプリント製造だ。スロットカーというと模型の自動車がスロット (溝) のついたコースを走るシステムで、日本でも多くの人々に親しまれている。
日本でも1960年代にアメリカから伝わって以来、根強いファンが多く、特に高いラジコンを購入できない子供に人気が高い遊びだ。今回フォードが発表したのは2015年マスタングモデルの3Dプリントスロットカー。
以前にもフォードは、砂糖でマスタングを3Dプリントする取組を発表しているが、それに引き続きエンドユーザーの関心を引きそうな取組だ。
マテリアライズが主催する3Dプリントスロットカーレース
今回つくられたマスタングの3Dプリントスロットカーは国際スロットカーレースに出場するために作られた物。このレースは3Dプリントサービスとして世界的な企業マテリアライズがスポンサーを務めるレースで、3Dプリンターで作られたスロットカーのみが出場するという特色を持っている。このマスタングは125分の1スケールで3Dプリンターでプリントされたのち、ブルーに塗装されている。
3Dプリンターで作られた125分の1のフォードマスタング
フォードマスタングの3Dプリントとレースの動画
3Dデータでカスタマイズも可能
まとめ -将来の3Dプリント自動車製造の可能性-
フォードのこの3Dプリントスロットカーの取組は、販売促進の方法としても、また、未来の3Dプリント製造を感じさせる取組としても見ることができる。
この取組によって、フォードの代表は、エンドユーザーの細かい要望に合わせて、3Dモデルを微調整したり、より良いパーツ製造をすることができると発表しているが、これはスロットカーだけではなく、将来的には実際の自動車製造でも行われるようになるのではないだろうか。
今年に入り様々な製品の製造に3Dプリンターが使用され始めているが、自動車製造にもその波が押しよせてきている。既にクラウド上で多くのデザインを募り、3Dプリンターで自動車を作るという取り組みが開始されており、これは、他の日用品やアクセサリと同じ感覚で自動車のデザインをとらえ始めている感覚だ。
また、3Dプリント技術ではないが、BMWminiなどが人気の理由もその高いカスタマイズ性にあると言われている。こうした消費者心理の多様化に対応するためにも、大企業は貪欲に3Dプリント技術によるカスタマイズ性を取り入れる必要があるのだろう。
今回のフォードの3Dプリントスロットカーは、将来くる自動車のカスタマイズ製造を感じさせてくれる取組だといえよう。
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