3Dプリンターが足病対策に 靴のカスタマイズ製造を本格化するFeetz

靴のカスタマイズ製造が開始

3Dプリント技術によって一気にカスタマイズ化の流れが加速している。

3Dプリンターの最大の特長はカスタマイズのオンデマンド生産が可能なところだ。もともとは試作品の製造に使用されていたが、技術が向上しいろいろな素材が利用できるようになってからは、ダイレクトに最終品を作る動きが加速している。

特に、医療用やスポーツ用品などでは、人の身体は千差万別であることから、3Dプリンターで製造するのが最適だとされている。

以前にもご紹介させていただいたが足裏のインソールを3Dプリントで製造する動きがアメリカやイギリスでは既に開始されているが、とうとうシューズの完全なカスタマイズ製造が開始されるとのことだ。

靴の分野ではスポーツメーカーのNIKEやアディダスが既に一部取り入れているが、今回ご紹介するFeetzは個人の要望に応じた完全なシューズのカスタマイズを行うという。

 左右それぞれに完全にフィットしたシューズ製造

靴のカスタマイズ製造を発表したFeetzだが、現在はまだベータ版の状態で、簡単な概要しか説明されていない。

Feetzによると、靴のカスタマイズ製造を行うための特別なソフトウェアを開発しているとのことで、ユーザーは自分の足を3つの異なる角度から写真を撮り、Feetzに画像を送信するだけでいいという。

これにより約7日間であなただけのオンリーワンのシューズを作りお届けするという仕組みだ。靴のデザインやカラーなどもいくつかのスタイルが用意され、オプションで選択することができるようにするとのこと。FeetzのCEOルーシービアード氏は下記のように語っている。

足は両足ともサイズ、形状が異なり、どちらかが大きい。そのため一般的に販売されているシューズは完全にフィットすることはありません。Feetzはあなただけの完全に足にフィットするシューズを3Dプリントで製造します。足の痛みで多くの人々が問題を抱えていることを我々は解決したい。彼らのために3Dプリントシューズは多くの問題を解決することができます。

(筆者意訳)

3D PrintShowにおけるFeetzブースの写真(出所:3DMKR.com)

BgYP4ltIIAAGCSy

まとめ -足病対策の取組-

Feetzの発表によると、基本的には足病で苦しむ人をターゲットにした取組で、以前ご紹介したアメリカやイギリスのインソールの3Dプリント製造と同じ目的を持っている。足のサイズは左右それぞれでも全く同じということは無く、完全に左右それぞれの足にフィットしたシューズを持つことは足病に苦しむ人には大変ありがたいものだ。

ちなみに室内で靴を履かない日本人にはあまり実感が無いかもしれないが、室内でも靴で生活することが当たり前の欧米では足病に対する取組が盛んで、足病医という専門医も存在する。

その診療範囲も細かく分類されており、疼痛を改善し、足病からくる整形外科分野の二次障害を防ぐなど非常に幅広い取組がなされている。

そのため今回のFeetzのカスタマイズ製造も医療分野の範疇に入る取組と言えるのではないだろうか。

一方で、NIKEやアディダス、ニューバランスなどもシューズの3Dプリント製造には着々と乗り出しており、3Dプリント技術による靴のカスタマイズ製造は早晩浸透するかもしれない。

しかし、まだ現状の3Dプリンターの性能を考えると、ファッション性やデザイン性を重視されるコンシュマー向けのシューズにはもう少しの時間がかかるだろう。

i-MKAERでは光造形3DプリンターForm3+やレーザー焼結3DプリンターFuse 1Raise3Dシリーズなど多彩な3Dプリンターのノウハウ、販売をご提供しています。ご質問や無料サンプルや無料テストプリントなどお気軽にご相談ください。

足の3Dプリント関連の記事はこちらもどうぞ