経営における経験デザインの成功例 -アップルとスターバックスに見る-

By | 2013年9月30日
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デザイン経営を行っているアップルの革新

消費者が経験する価値に重きをおいた経験価値マーケティングでは、デザインの役割が製品開発・サービスの提供などすべての部分において中心となる。あまりにも有名すぎるが、デザインを徹底して経営に取り入れ、デザイン担当の役員まで存在するアップル社の取り組みが代表的だ。

アップル社が提供するi-phoneは全世界の累計出荷台数は3億8千万台を超え(2013年6月時点)、日本においても9月にNTTdocomoの取り扱いが決まり3大キャリアで扱われている。

i-phoneの爆発的ヒットをデザインという観点から見た場合、アップルにとってデザインの対象は単なる製品の外観だけではなくあらゆるものに及んでいます。アップルの製品とサービスにはすべてに透徹されたデザインが施され、そのこだわりは細部まで至っています。

製品本体だけではなくパッケージに始まり、ソフトウェアであるitunes, 店舗であるアップルストア、アプリケーションのアイコン、アプリケーションのストアであるアップストア、マックコンピュータ等、すべてに統一感があります。

アップルストアアイフォン パッケージ

例えば、製品パッケージについてもデザインパテントを取得したりしています。このように全てを連動させることで、人々にアップルを利用することで得られる経験価値を提供している。

機種ではなく単純にOS別に見た場合、世界的にはGoogleのAndroidの方が台数的にはアップルのiOSよりもシェアを占めています。しかし、ここ1年で、アメリカではスマートフォン市場の43%のシェアに拡大し、イギリスでも31%のシェアに拡大している。

アメリカでもイギリスでも1年間で7.8%近くも市場シェアが伸びており、多くのスマートフォン機種が存在する中でアップルを選択するには人々がそこにiphoneを所有することで体験できる価値を見出しているからに他ならない。

経験デザインで顧客市場主義を確立したスターバックス

スターバックスコーヒー

経験デザインで成功した企業としてあまりにも有名なのがスターバックスです。

スターバックスは入れたてのコーヒーを提供する従来の喫茶店やカフェと異なり、スターバックスでコーヒーを飲むということが顧客に対して隠れ家を提供し、経験してもらうという価値を提供しています。

またスターバックスは単純に「顧客の隠れ家」という経験を提供するだけではなく、より顧客の経験したいことや希望などを、コミュニティを通して募集している。

「MyStarbucksIdea」というアイデアコミュニティで、スターバックスが提供している商品やサービスに対して顧客から広く改善アイディアを募集している。このアイデアコミュニティは集まったアイディアや要望について、スターバックスの担当者がどういう対応を取るかを回答する仕組みだ。

またコミュニティサイトだけではなく、facebook , twitter, youdubeといったソーシャルメディアで顧客との対話を図っている。

特にスターバックスのfacebook ファンページのファン数は企業では世界最大規模で顧客に対して自社の活動を記事、写真、動画、イベント情報、レビューやアンケートなど様々な接触を行っている。

こうしたスターバックスの活動を見てみると、自社製品やブランドイメージに対するマーケティング・広告宣伝活動がきわめて独自の方法(ある意味最も合理的で最先端の)をとっている。

少なくともスターバックスの広告は見たことはなく、店舗が、商品パッケージが、コミュニティサイトやソーシャルメディアがすべてにおいてスターバックが表現されており、スターバックスを経験することの感覚を感じさせてくれる。

まとめ

アップルとスターバックスの経験デザインの例はあまりにも有名であるが、どちらの企業にも共通する部分は徹底した顧客中心主義といえる。そこには製品やサービスを提供する側の自社や関連企業等の一切の事情は含まれていない。

自社製品を販売し、多くの人々にとって利用してもらうには、顧客が経験したいこと、顧客が享受することができる感覚的なものを分析しつくして提供するという徹底した合理主義のみに感じられる。

事業を立ち上げ、成功させるための前提条件として時代に適合していることが必須要件であるがまさに、両社の経験デザインからくる事業展開は、インターネットの飛躍によってメーカーに対する権限を得た顧客中心主義に合致しているのだと考えられる。

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