ものづくりの最先端を行く自転車製造では3Dプリント製造が当たり前に

実は最先端のモノづくりを行う自転車製造

自転車は実はゴルフクラブと同じくらいさまざまな素材が使用されているプロダクトだ。特にフレーム部分にはいろいろな種類の素材があり、スチール各種やカーボンファイバー、アルミニウム、チタン、マグネシウム、中には竹や木材などいろいろな素材を使用する。

こうしたさまざまな素材から成り立つ自転車のものづくりは、商品開発において非常に幅が広く、多くの知識を習得することができる。それは素材ごとの物性によって、その商品の機能や強みを生かすことが必要になるからだ。

例えば炭素繊維は軽く丈夫なため、現状で唯一の自転車競技用素材であるとか、スチールは強度や振動吸収性に優れあらゆる自転車フレームに最適であるとか、素材がそれぞれ持つ物性や、その組み合わせによって、用途に応じた自転車を作ることができる。

そのため一つの種類の自転車を作り上げるだけで、極端な言い方をすればあらゆる素材に精通することになる。こうした自転車製造の特徴はゴルフクラブの開発にも極めて似ているといっていい。ゴルフクラブも、実は単純な形状のように見えて、最先端の素材が使用され、その物性によってクラブの性能を発揮しているのだ。

例えばインパクト効率を上げるためにドライバーのヘッドに異なる素材を使用したりするが、そこには通常耳にしないような最先端素材を使用する。追求する機能がシンプルであればあるほど、そこに関わる素材やその組み合わせは非常に微細なものになっていく。

このように、ものづくりの中においてある意味最先端を行く自転車製造だが、最近では3Dプリント技術を使用してフレームを作ることが頻繁に行われてきている。本日は自転車製造における3Dプリント製造の状況をご紹介。

自転車にはさまざまな素材が使用される

ぞくぞくと開始される自転車の3Dプリント製造

実は自転車製造に3Dプリンターが取り入れられたのは以外に古く2012年だ。イギリスの自転車ブランド、Charge Bikes(チャージバイク)が市場初となるチタンの3Dプリント自転車パーツの開発を行ったのが最初だ。それによって従来の機械加工ではつくることができなかった複雑な部品を製造することが証明された。

また同時に消費する材料の量をかなりの部分減らすことが可能となり、コスト面でも3Dプリンターはメリットがあることを証明された。

これ以降、3Dプリンターによる自転車パーツの製造は盛んに研究され、今年の2月には、自転車メーカーのEmpireが3Dプリントチタンフレームのロードバイクを発表したり、オーストラリアの自転車メーカーFlying Machineがフルオーダーの3Dプリントチタン製造を開始している。

また、フレームではないが台湾の大手自転車メーカージャイアントはサドルを3Dプリンターで製造し、ユーザー一人一人に適合するカスタムフィット製造を開始した。また、最近ではポーランドベースの自転車設計企業Tiサイクルは、自転車フレームやその他の自転車パーツ、アクセサリと幅ひろい3Dプリント製造を開始しているという。

2014年に発表されたEmpireの3Dプリントチタンフレームのロードバイク

Tiサイクルの3Dプリントチタン自転車

まとめ

チタンは軽量な上に、丈夫で長持ちする素材だ。振動吸収性も高くフレームとしての寿命も長い。そのため従来から自転車フレームの製造には最適な素材とされてきたが、1点問題点があるとすればそれは価格の高さである。

そのため、チタンを自転車フレームとして取り扱うメーカーは一部のメーカーのみで、日本でもパナソニック サイクルテックやティグなど一部のメーカーのみが販売を行っている。

そんな高価なチタン素材だが、3Dプリント製造にすることで、従来の価格よりも安い値段で作ることが可能になっている。それはひとえに素材としての無駄な消費が全くなくなるためだ。

チタンの3Dプリント製造はパウダー状のものから製造されるため、従来の金属溶接に比べはるかに材料の無駄をおさえることが出来る。このように3Dプリント製造に切り替えることでコストを抑えられ、尚且つ商品の性能(自転車の場合は耐久性向上と軽量化といった)を果たすことが出来る。

こうしたことから、シンプルだが、そこには非常に複雑で微細な製品開発が行われている自転車製造に3Dプリンターは最適なマッチングを果たしている。

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