オートデスクは全世界6.8億人の学生に3Dデザインソフトを無料開放

3Dデザインソフトを全世界188ヵ国6.8億人の学生に開放

オートデスクは3Dデザインソフトで知らない人はいないトップメーカーだ。CADを普及させるきっかけともなったAutoCADをはじめ、製造業や建築などあらゆる分野の設計データはオートデスクのソフトウェアが担っている。そんなオートデスクだが、「未来のデザイン」という名のもと、中学生や高校生、大学生などを対象に画期的な取り組みを開始している。それは全世界の学生に対して3Dデザインソフトを無料で開放するという驚きの取組だ。

以前も「世界中の教育機関と学生は無料でAutdodeskソフトウェアにアクセス可能」という記事でオートデスクの取組をご紹介したが、世界中とはいえ、そのカバー範囲はアジア太平洋地域と欧州全域にとどまるものあった。しかし、今回の発表でオートデスクはそれを全世界に拡大する旨を決定している。オートデスクによると、全世界の学生は潜在的に188ヵ国、80万校、生徒数で6.8億人に達するとみられている。これらの学生はいつでもどこでもオートデスクにアクセスし無料で3Dデザインソフトを使用できるようになるとのことだ。こうしたことの背景にはどのようなことがあげられるのだろうか。

デジタル技術で課題を解決できる次世代モノづくりの人材育成

もともとこの無料開放の取組を全世界まで拡大するきっかけともなったのが、アメリカのオバマ大統領からの要請がきっかけだったという。アメリカは今急速に3Dプリント技術の普及と開発に取り組んでおり、目下、製造業強化に取り組んでいるが、その政策の一貫として教育機関への3Dプリント技術の普及も含まれている。製造業へ3Dプリンターを配備するだけではなく、それを使いこなせる人材を育成することも早急の課題であるためだ。

こうした状況から、アメリカの全ての中等レベルの学校で3Dデザインソフトが無料使えるようになったとのこと。この取組では学生だけではなく、教師の3Dデザインの知識を育成することも目的としており、徹底した3Dデザイン教育の普及を図ろうとしている。この全米の学校での3Dソフトの無料化にしたが、オートデスクでは、世界中にこのプログラムを拡大することを決定した。オートデスクのCEOカールベース社長は今回の本格的な全世界への3Dデザインソフトの無料提供について以下のように述べている。

「現在、モノを作る方法が急速に変化しています。私たちには新しい製造業や建築技術に対応した設計をすることができる人材が必要です。世界中の学生や教職員、学術機関に無料でプロの設計ツールを提供することにより、私たちは産業が次のステップに移行するお手伝いをしています。」

まとめ 3Dデザインを使いこなすデジタルネイティブの時代

このオートデスクの取組によって、製造業に携わるこれまでの人材と、これからの人材は大きく異なることになるだろう。オートデスクの取組は単に3Dデザインソフトを提供するだけではなく、教師への浸透も行うことから、物を作ることの教育改革ともいえる程の影響力を持っていると言っていい。そこには現実世界に存在する課題を創造的な方法で解決し、それをカタチにする手段として3Dデザインソフトを使用するというものになる。いわばデザインとエンジニアリングに精通し、ソフトウェアで課題を解決することができるデジタルネイティブの育成に他ならない。21世紀の製造業における働く基準、労働力の意義が問われる取組だ。

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