オートデスクが全世界500以上のFABLABを3つの設計ソフトで支援

By | 2015年8月7日
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新たなデジタルものづくりに求められるスキルとは

今後のものづくりにとって主流となるデジタル製造技術。デジタルデータから物体を直接作ることができる3Dプリンターや、その他の工作機械の発展によって、あらゆる分野でその役割が重要になる。これまでの製造現場をはじめ、新たに製品開発を行うメーカーや起業家など、新たなプロダクトを作り出す過程において、デジタル設計ツールを使いこなす技術は必須だといえよう。

これは何も3Dプリンターで作ることができる製品の筐体などに限った事ではない。機械を動かす核となる電子回路の設計なども同時に行わなければならなくなるだろう。現在のエレクトロニクス製品は、外側である筐体と内部の基板回路は別々に作られており、それぞれの設計に求められる技術もまったく異なる。

しかし、将来はこの二つのスキルを同時に使いこなせる人材が必要になるだろう。電子回路を製品のボディにそのまま組み込むことも可能になるためだ。以前もご紹介した、Voxel8のような電子回路とボディパーツを同時にデータから作れるような3Dプリンターは、未来のプロダクトのカタチを示しているといえよう。こうした迫り来るプロダクトデザインの変革の時代に、大きな役割を果たすのがソフトウェアメーカーと教育の現場だ。

本日はオートデスクとFABLABの新たな時代のメーカー育成教育をご紹介。

FABLAB 11 オートデスク

オートデスクの教育支援。全世界500以上のFABLABをサポート

FABLABは、現在では55カ国、450以上もの研究室にまで拡大している国際的なものづくりネットワークだ。日本でも鎌倉をはじめ、つくばや渋谷に拠点を持ち、13箇所に展開している。

もともとMITメディアラボから始まった「あらゆるものを作る」ことを目的としたこのプロジェクトは、3Dプリンターやレーザーカッターなどあらゆる工作機械を揃え、デジタル技術を使ったワークショップを古くから行っている。こうしたデジタルものづくりのワークショップを行うためには、工作機やソフトウェアなどの設備が必要だが、FABLABには多くのスポンサーが参画している。

そんなスポンサーの1社、3Dソフトウェアのオートデスクが、今年8月3日にMITで行われたFABLAB国際シンポジウム、FAB11新たな発表を行った。その発表では、世界中500を超える全てのFABLABメンバーがオートデスクのクラウドソフトウェアを使用できるようにするというものであった。

オートデスクはこれまでも3Dソフトウェアの分野で普及と浸透を図ってきたが、とりわけ力を入れているのが教育の分野である。以前もご紹介したPROJECT IGNITEは、3Dプリントからハードウェアの設計まで学ぶことができる学習プラットフォームだし、既に世界中の教育機関に向けてクラウドの3Dソフトを無料で開放している状況だ。

基本的にデジタル製造が拡大するに従って、最も求められるスキルがデジタル設計ツールだが、単純に使いこなすだけではなくプロダクトの設計上の課題を自分で見つけ、解決する能力を身に付けることが必要になる。オートデスクはこうしたスキルを教育の取り組みを通じて行っているのだ。

FABLAB 11 オートデスク

3Dとハードウェア設計を学ぶ3つのクラウドソフトを提供

今回のFABLABとの提携において提供されているオートデスクのソフトウェアは3種類。3Dモデリングの入門とも言えるデザインアプリTinkercad、電子回路設計を学ぶ設計ソフト123D回路、クラウド上で3DCADを共有しながら直感的に設計できるデザインソフトフュージョン360の3つだ。

この3つのソフトウェアはFABLABの新たなカリキュラムの一つに設けられ、3Dデザインの入門から回路設計、さらにはクラウド上における直感的な設計まで一連して学ぶことが可能となる。またこのオートデスクのソフトウェアを無料で使用出来るだけではなく、FABLABメンバーには、PROJECT IGNITEで提供されるアルドゥイーノの123D回路を使った基本キットを10%割引で購入することができる。

FABLAB オートデスク支援

まとめ 最終的なアウトプットまで体験できるワークショップは最適

今後のデジタル製造に問われるスキルは、単なるソフトウェア設計のノウハウやスキルに留まらず、データから実際にアウトプットされたときとの違いを把握する能力が求められるだろう。こうしたある論理と感覚の世界を把握したうえで、プロダクトの機能をどのようにしてカタチに落とし込むかといった課題解決の設計能力が必要だ。なぜならば、いくらデジタル化が進むとはいえ、最終的には物体として体感できるモノになるからである。

バーチャルで感じていた感覚と、リアルに五感で感じる感覚はまったく別物であり、こうしたスキルもバーチャルだけにとどまらない実地に基づいた教育が必要だ。こうした点から言うとFABLABのように実際のワークショップという行為を通じて、最終的なアウトプットまで一貫してものづくりが体験することができる場所は、デジタル設計を身に付ける上で最適な場所と言えるだろう。このFABLABの拡大は今後もさらに加速していくに違いない。

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