アマゾンが3Dスキャンのオンラインシューズ販売Shoefitrを買収

靴の3Dスキャンデータでオンライン上で最適なフィッティング

電子商取引最大手のアマゾンが、新たにオンラインシューズ販売のShoefitr.comを買収した。Shoefitr.comは、2010年に設立された靴のオンライン小売サイト。しかし単なるインターネット販売の会社ではない。Shoefitr.comは、ありとあらゆる靴の膨大な3Dスキャンデータを保持しており、オンライン上で顧客が自由にサイズを変更、カスタマイズができる。そのため誰もが好きな靴で、自分にピッタリのジャストフィットするシューズを選ぶことができるというわけだ。

言うなれば、靴屋に行って実際に履かなくても、オンライン上でピッタリのフィッティングをすることができる。下記はShoefitr.comの仕組みを表す動画。ネット上で自由にフィッティングを行っている。創業以来この5年間で蓄積された3Dデータは膨大であり、アマゾンはこのShoefitr.comを買収することで、新たな3Dカスタマイズシューズの販売に乗り出しそうだ。

Shorfitr.com動画

3Dプリントサービスを拡大するアマゾンとの関係

アマゾンは、3D技術に関する企業との提携や買収は今回が初めてではない。すでに、ShapewaysやSculpteo、i.materialiseなどだ。また、新たな最新の特許として3DデータをWeb上でカスタマイズするものを取得、トラックで3Dプリントし迅速に配送するサービスを検討している。

今回の買収と3Dプリントサービスとの直接的な関連性は不明だが、靴の3Dプリントカスタマイズは今後拡大する傾向にあることが予測される。すでにシューズ内部に入れるインソールでは当たり前のように普及しているし、大手シューズメーカーのナイキやアディダスなどは、3Dプリンターで靴をカスタマイズする試みを始めている。

また3Dプリンターでカスタマイズシューズを販売するFeetzやユナイテッドヌードといったメーカーも登場してきている。こうした状況の中、ありとあらゆるシューズの膨大な3Dスキャニングデータを保持するShoefitr.comは、これからの3Dカスタマイズ時代においては、大きな潜在力を秘めているといっていいだろう。アマゾンが単なるインターネットの小売の枠から進化した、デジタル製造時代の電子商取引サイトに移行する一部の動きではないだろうか。

まとめ 小売チェーンへの巨大な影響 3Dプリント技術の進化

アマゾンがこれほど3Dプリント関連に進出するのは、明らかに3Dプリンターのサプライチェーンへの影響を重要視しているからにほかならない。例えば、アマゾンには企業、個人とはず多くのショップが登録されているが、その数は世界最大といってもいいだろう。全世界のショップ数は不明だが、つい昨年日本のamazon.co.jpが公開した契約者数は約16万で、この数は楽天の4万、ヤフーの6万をはるかに上回ることになる。

しかし、そこで販売される製品の一部が、わざわざ物で購入しなくても、3Dプリンターで作られるようになれば、その影響は甚大である。もちろん、できる製品、できない製品、コストや精度といった部分を考えれば今はまだ、本の一部に過ぎないかもしれない。

しかし、3Dプリント技術の向上と、低価格化はとどまるところを知らず、早晩、物によっては3Dデータから手っ取り早く作られるようになる。また、インターネットの普及と、あらゆるモノの蔓延によって、多くの人々の趣味趣向が多角化し、企業側もそれに対応するカスタマイズ性が求められることから、大量生産方式は逆に効率が悪く、時代に適さない製法だといえる。

そのような中、3Dプリント技術による、1個単位のカスタマイズ製品は、まさにこれからの時代の消費者心理に合致していると言えるだろう。そうしたサプライチェーンへの影響と、多くの顧客の要望に応えるためには、3Dプリント分野への参入は必要不可欠である。むしろ母体が大きい分、その影響は甚大であり、早急に対応する必要があるだろう。

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