3Dプリンターで広がるリサイクルネットワーク、3DsystemsとUrban Hubsの取組

3Dプリンターとリサイクル

3Dプリンターの最大の特長はコスト削減だが、なんといっても余分な材料費を抑えられることが大きい。1個1個オンデマンドで生産するため、これまでの大量生産とは違い、余分な在庫やスペアなどは不要になるためだ。

こうした3Dプリンターの持つ特性は物理的に資源の無駄遣いを減らすとともに、人々の思考をよりリサイクル思考にするのではないだろうか。現に、材料を回収してリサイクルする動きが出てきている。特にプラスチック材料であるABS樹脂の分野ではリサイクルが適用できる範囲が大きいだろう。

特にリサイクル率が極端に低いアメリカやヨーロッパでは、新たな環境貢献、CO2削減に対する意識が芽生えそうだ。本日はそんなリサイクルを促進する3Dプリンターにちなんだ画期的な取り組みをご紹介。

町中のペットボトルとアルミ缶を回収する動き

3Dプリンターにちなんで新しく登場しているリサイクル促進の動きは、3Dプリンターメーカーの巨人3Dsytemsと「Urban Hubs」というネットワークによって開始されている。

これはペットボトルや空き缶の回収用のプラスチックホルダーを町中に設置し、ゴミ箱の代わりに改修しようとする動きだ。

このホルダーを町中のいたるところで設置し、空き缶やペットボトルを回収後、「Urban Hubs」が現金と引き換えに交換してくれるという仕組みだ。ちなみにプラスチックホルダーは「Urban Hubs」のホームページから無料でダウロード可能で、3Dプリンターでプリントすることができる。

アメリカはリサイクル率が極端に低く、ニューヨークやシカゴ、ロサンゼルスといった主要都市のペットボトルや空き缶のリサイクル率はたった5%しかないのが現状。

これにより今までは埋め立て地に捨てられていた大量のプラスチックやアルミニウムのゴミがリサイクルされる可能性が出てくるだろう。

おそらく3Dsystemsや「Urban Hubs」の方のメリットとしては、改修したプラスチック廃材やアルミニウムを再利用して、3Dプリンター用のフィラメントとして再利用するのではないだろうか。

既に町中のいたるところでこのホルダーが設置されつつある。

データは無料でダウンロード可能

3Dプリンターでプリント可能

待ちに設置して回収する動き

まとめ

3Dプリンターの普及が進めば進むほど、余分な材料の浪費は減少するだろう。また、同時に材料のリサイクルが現在廃棄されているあらゆる材料から再利用されるようになれば完全な循環型のリサイクル体制をつくることができるのではないだろうか。

特に毎年50億トン以上の二酸化炭素を排出し、世界で2番目に大きいアメリカでのリサイクルが進めば、世界の他の国々でもそういう意識や制度が広まる可能性を秘めている。

工業化が進んでいる先進国で、リサイクルを促進し、それがメリットにつながる動きやケーススタディが示すことができれば、あとを追って工業化を進める国が真似しやすくなるだろう。

特に中国は既に世界一のCO2排出国だが、将来的には世界最大の3Dプリント市場になるとも言われている。

中国での3Dプリントが拡大すれば、それと同時に、より効率的な思考法が浸透し、廃棄物を再利用するという動きが出てきてもおかしくはない。そうすると、3Dsytemsと「Urban Hubs」の展開は、今後に期待できそうな事業だと言える。

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