3Dsystemsは高速量産フルカラー3Dプリンターの詳細を追加

3Dsystemsのコンベアベルトタイプの動画が公開

3Dプリンターの開発競争が激しくなっている。ヒューレットパッカードが10月末に、自社の独自開発のフルカラー3Dプリンター「Multi Jet Fusion」を発表した。この「Multi Jet Fusion」は、フルカラーで、既存の3Dプリンターに比べ10倍高速で製造できるシステムだと発表されたが、「フルカラー」というキーワードと「高速プリント」というキーワードは今後の3Dプリンター開発にとって重要な意味を持っている。

HPのリリースから先立つこと約4ヶ月、3Dsystemsは、Googleと開発を進めるコンベアベルトタイプの3Dプリンターの発表を行ったが、この50倍の速度で生産できる3Dプリンターの新たな詳細が公開された。その開発状況では、それぞれフルカラーで形状やデザインが異なる製品がプリントされている動画が公開されている。

当初、Googleが進めるスマートフォンのカスタマイズ製造Project Araのための機種との発表であったが、公開された動画では、スマートフォン以外のさまざまなアイテムが公開されている。本日は3Dsystemsのコンベアベルトタイプの新機種の途中経過をご紹介。

3Dsytemsの50倍高速のフルカラー3Dプリンター動画

1分間に40億滴の材料を噴射、スマホ以外のさまざまな試作が登場

この3Dsystemsの50倍高速なフルカラー3Dプリンターは、以前もご紹介したコンベアベルトタイプの機種だ。流れ作業のようにベルトコンベア上をプロダクトが進み、進む過程でいろいろなノズルから材料が抽出されて1個1個カスタマイズされた物が作れる仕組みだ。このノズルから噴射される素材はフルカラーの感光性樹脂で、1分間に40億滴も噴射される。

公開された動画や、写真を見ると、もはや3Dプリンターというモノではなく、完全なカスタム量産製造マシーンだと言えるだろう。しかも試作品を作るためのものではなく、完全に最終製品を製造するためのマシーンとして開発されている。3Dsystemsの発表によればこの50倍高速の3Dプリンターは、完全にエンドユーザー向けの最終製品の製造のために使用されるもので、メーカー、クリエイター、エンジニアなどにとって、有効であり、これからの生産現場にとって多くの利点をもたらすとしている。

1分間に40億滴の感光性樹脂を噴射しフルカラーを実現
Googleとスマートフォンのカスタマイズから始まった計画
スマホ以外のエンドユーザー向けプロダクトにも対応する
さまざまなカスタマイズが可能に
ベルトコンベアー形式

まとめ

3Dsystemsはデロイトが発表した2014年、北米テクノロジー最先端企業500社のランキングのうち、3Dプリント関連でトップに受賞されている。年率成長率は355%で、2009年から2013年の間で目覚しい成長を遂げた。しかし、この成長はこれからも続くと大きな期待が寄せられている。とりわけ今回ご紹介した50倍高速のフルカラーな3Dプリンターが市場にリリースされれば、製造現場に大きな影響を与えることは間違いない。

よりスムーズによりカスタマイズされた製品を迅速に生産することが出来れば、これまでの製造の概念を一気に変えてしまうかもしれない。とりわけエンドユーザー向けの製品を提供しているメーカーにとっては、今後の製品開発、経営にまで影響してくる開発。このマシーンは3Dsystemsによると来年には本格的な販売を開始するという。今後の発表が気になるところだ。

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