3Dsystemsが新たに買収を発表 デジタルドールハウスでリアルとヴァーチャルを融合

3Dsystemsの買収の狙いとは

関連企業を続々と買収し、3Dプリンターの利用を拡大する3Dsystemsだが、新たな買収を発表した。

3Dsystemsが今回買収を行ったのはDigital Play Spaceというインターネット上でヴァーチャルな部屋をつくるサービスを提供する企業だ。

既に2008年のサービス開始以降、Digital Play Spaceには600万以上のヴァーチャルルームが存在するという。

このヴァーチャルルームはデジタルドールハウスという仮想空間における人形の部屋で、登録したユーザーが自由に部屋をコーディネートするという仕組みだ。

今回の3Dsystemsの買収はこのデジタルドールハウスに登録する女の子とその母親をターゲットにしたものだ。

世界200カ国100万人が参加する仮想空間

このDigital Play Spaceだが、提供するサービスは主に二つに分かれている。

第一が上記で述べたデジタルドールハウスと言われる人形のヴァーチャルルームで、ユーザーがインテリアデザイナーとなって仮想の部屋を、家具やアクセサリ、カーテン、壁紙などを自由に使ってコーディネートするというもの。

第二のサービスがドリームハウスデザイナーと言われるサービスでFacebook上でプレイするゲームだ。こちらは、デジタルドールハウスと比べて、よりリアルな室内のデザインを楽しむことができる。

様々な装飾アイテムと組み合わせて独自のルームデザインを行いFacebook上で友人や家族などいろいろな人と共有するサービスだ。

ちなみにデジタルドールハウスは200カ国から累計100万人以上が参加している超巨大コミュニティだ。

デジタルドールハウス

3Dプリンターでヴァーチャルとリアルの融合

今回の買収で3Dsystemsが行ったことは、Digital Play Spaceが提供する二つの仮想空間デジタルドールハウスとドリームハウスデザイナーを3DデータのダウンロードサイトCubifyプラットフォームに統合することだ。

Cubifyプラットフォームは3Dプリントできるデータが販売されているサイトで、デジタルドールハウスなどで使用されるヴァーチャル上のアイテムを3Dプリントできるデータとして提供するという狙いがある。

下記の動画はデジタルドールハウスで遊ぶ女の子が、ヴァーチャル上の椅子などのアイテムをダウンロードし、自宅の3DプリンターCubifyでプリントするという紹介動画だ。

Digital Play Spaceはもともと2007年にエンジェル投資家によって資金提供されたベンチャー企業だが、これまで100万人の会員を集め、その大半が女の子と女の子の母親だ。

たとえるならば、バービー人形やリカちゃん人形の家の世界をヴァーチャル空間で楽しむというもの。

しかし3Dsystemsの今回の買収により、ヴァーチャルだけではなく、リアルな世界でも遊ぶことが可能になった。

まとめ

3Dプリント技術が巻き起こす波はいたるところで起きている。

3Dsystemsは製造業が使用する高性能な3Dプリンターも手掛けつつ、おもちゃやフィギュアに始まり、今回の女の子や母親を対象にしたサービスまで、あらゆる分野で3Dプリント技術の浸透と導入を図っている。

従来は単なる試作品を製造する加工機械に過ぎなかった3DプリンターがIT技術と融合することで、カスタマイズ性とオンデマンド生産という二つの特長が最大限発揮されるようになっている。

2014年に入り、急速に3Dプリント技術が消費者向けの最終製品の使用で用いられる動きが出始めている。

今はまだ、その性能は模型やおもちゃの域を出ないレベルだが、急速にプリント精度やスピードといった技術が向上することで、気づくと今までとは全く違う世界に変化しているのかもしれない。

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