タブレット対応3Dバーチャルラボは、製品デモから実験まで超リアルに再現

製品開発から販売デモ、実験まで幅広く利用可能

3Dバーチャル技術は3Dプリント技術と同様、多くの分野で利用が期待されている。バーチャル空間上で、リアルな状態が再現できることから、実物で行う前のテストとして大きな効果を発揮することができる。その効果はコスト削減と、リードタイムの向上という二つの大きなメリットをもたらす。

例えば、製品の動作チェックや機能チェックを、実物の試作を作る前に、全く同じ状態をバーチャル空間上に再現できたらどうなるのだろうか。数多くの改善点は、実際にやってみることで得られることが多いが、バーチャル空間でそれがわかれば、そのコスト削減効果は絶大になる。

わざわざ試作品を作る時間や材料費を削減することができる。また、3Dバーチャル技術のメリットは製品開発だけではない。製品のデモンストレーションにも効果を発揮することができる。

例えば、ある製品を販売しなければならない場合、多くの営業マンや販売員にその機能や構造を理解してもらわなければならないが、3Dバーチャル上で全く同様の機能が出せれば、社内用のデモ機はわざわざ作らなくてもよくなるだろう。さらに、3Dバーチャルの効果はトレーニングなどにも最適だ。

学生や研究員などが、機器の扱いや、様々な実験を行なう際にもバーチャル上で実物と同じ効果やそれに近い現象が再現できれば、実際に行なうよりもはるかに簡単にできる。こうしたことから3Dバーチャル技術は多くの産業で新たな利用価値が期待されてきている。本日はそんな3Dバーチャルをタブレットで再現できる3Dバーチャルラボをご紹介。

直観的にタブレットで3Dバーチャルが再現できる

タブレットで使用できる超リアルな3Dバーチャルアプリ

3D空間上で現物と全く同じか、ほぼ似たような現象を再現することが可能なアプリケーションの開発が行われている。この開発を行なうのは、イギリスの3Dバーチャル開発を行なう企業、LEARNEXX3Dだ。LEARNEXX3Dが開発するアプリはタブレット端末上で使用できる3Dバーチャルラボと言われるもの。

実はイギリス政府の義務教育のIT化を促進する企業支援にも選ばれており、助成金も得ている。これにより上記で述べた、製品開発や、製品デモ、トレーニング、バーチャル実験などへの利用が期待されている。既にイギリスのいくつかの大学や大学院の研究所には導入されている模様で、多くのコスト削減効果と、開発促進が期待されている。

下記の動画は試作中のものだが、3Dバーチャル空間上における、製品のセールスデモと分光計の実験の模様を示した動画だ。

セールスデモ

3Dバーチャル上における分光計の実験

セールスデモの紹介では、3Dバーチャルラボでデモを行なうことにより、デモ機自体の製造コストや輸送するコストなどをなくし、常に最新の製品にバージョンアップしてもアプリを更新するだけで済むという。また、タブレット端末で使用できることから、プレゼンテーションには最適とのことだ。また3Dバーチャル上で動作を正確に再現できることから、トレーニングや使用の反復練習にも耐久性などが関係なく利用できる。また、分光計の実験動画では、機器を正確に接続し、測定状況までバーチャル空間で再現している。

3Dバーチャルラボでは実験などにも最適

まとめ

この3Dバーチャルラボは、製品の知識やそれに対する意識を高めるだけではなく、多くの人々をその分野に参画させる効果が期待できる。例えばリアルな研究所を一から作るとなると膨大な費用と時間がかかるが、バーチャル空間上であれば、多くの製品開発や製品テストが可能だ。

いわば研究開発と試作実験がコストをかけることなく行うことができる。こうした3Dバーチャル技術の利用は教育分野と最も相性が高い。より多くの学生や研究員が手軽にこうしたバーチャル上での試作実験に参加することで、多くの新製品や新技術の開発が可能になりそうだ。イギリス政府が助成金を付与しているのもこうした点に注目して行っているからに他ならない。

既にロッキードマーチンなどの一部のハイテクメーカーでは、製品開発にこの3D バーチャル技術を導入し、3Dプリントへのダイレクト製造に結び付ける動きが登場してきている。将来は3D技術により、開発から製造、販売までバーチャルとリアルが一つの流れに統合されるのかもしれない。

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