3Dプリント技術とリバースエンジニアリングで歴史的風車のモデルを再現

3Dプリンターでリバースエンジニアリングの利用拡大

3Dスキャニングと3Dプリント技術を組み合わせることでさまざまな利用が行われている。主に製造業の製品開発の分野で使用されてきた方法論がその他の分野でも流用されているといった状況だ。

製品開発の分野でよく行われるのがリバースエンジニアリングという手法。競合他社の製品をバラバラに分解し、3Dスキャニングし、そのご3Dプリンターでレプリカを再現するという方法論。

これは競合他社の製品の強み、弱みを分析し、自社の製品開発に利用するという手法になる。全くそのまま同じ物を複製すれば著作権違反になるが、他社のウィークポイントを分析し、自社の強みにすることができるという利点がある。

こうしたリバースエンジニアリングの用途が製品開発以外の分野でも使用され始めている。本日ご紹介する歴史的風車のレプリカ製造もそのうちの一つ。その多くは歴史的に古い建物や商品などの保護、保存、再生利用といった目的のために3Dプリンターが使用される。

100年以上前に風車を忠実に再現

今回ご紹介する風車の3Dプリントレプリカを作ったのはアメリカ風力センターと3Dプリントサービスのホワイトクラウドだ。1910年代から1950年代に素材した風車で実際に30年前まで使用されていたもの。

この3Dプリントレプリカはアメリカ風力センターが所有していた古いモデルをリバースエンジニアリングし、再生させたものだ。3DプリントにあたってはUV硬化樹脂を使用し、人間の髪の毛の薄さの6分の1の精度である16ミクロンの解像度でプリントされ、信じられないほど精密で実物に忠実なモデルを作ることに成功している。

この風車のレプリカはアメリカ風力センター博物館に展示され、鉄道模型のレイアウトの一部として展示されることになる。ちなみにアメリカ風力センターの展示会では博物館内に100以上の風車のギャラリーが展示され、野外には60基の風車が展示される世界最大の風車博物館だ。

アメリカ風力センターとホワイトクラウドが作った風車の3Dプリントレプリカ

16ミクロンの解像度を誇る超精密な作り

まとめ 3Dプリンターは歴史的遺物の保存に最適

3Dスキャニングと3Dプリンターは今回の風車のレプリカ製造に見られるように古くからの歴史的遺物の保存に大きな力を発揮するのではないだろうか。

過去数千年に渡り、多くの建造物やモノが作られてきたが、そうしたものの大半は時代とともに風化し、その多くが失われている。その中には、現代で再現することが難しい構造を持つモノも珍しくはない。

しかしそうした歴史的遺物の大半は製法や構造が失われていることから現代で再現することは不可能だ。しかし3Dスキャニングや3Dプリントといったような現代のデジタル技術を駆使することで、いまあるもの、もしくは古代から伝わるものをデジタルデータで残すことが可能だ。

今までの一般的な使用方法であるプロダクトデザインや製品開発の使用以外にも文化的な価値や技術の保護という観点からもおおいに利用することができる。また、こうした過去の歴史的構造帯が現代の新技術の開発や新商品の開発に流用することもできるだろう。

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