アメリカ・カナダは図書館に3Dプリント設置 デジタルイノベーションセンターの構築

By | 2014年1月24日
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アメリカでは51の図書館に3Dプリンターが設置

世界中の国で3Dプリンターを導入する動きがあるが、アメリカとカナダ主に北米地域は3Dプリンターが最も普及している地域だ。普及しているだけではなく製造業における利用実績でも20年間の歴史がある。

特に2013年以降、製造業だけではなく、学校教育分野における3Dプリンターの普及も進められている。

特にアメリカはいろいろな地域の図書館において3Dプリンターが続々と設置されている。

アメリカは昨年2013年度の初頭には既に全国51カ所の図書館に3Dプリンターが設置されている。

設置されている種類は大半が安価なデスクトップタイプの3Dプリンターで、MakerBotが圧倒的なシェアを占めているようだ。また51カ所の図書館は公共の図書館が大半で、残りは大学や学校の図書館となっている。

3Dプリンターが設置された全米の図書館

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カナダ・トロントでも3Dプリントセンターを設置する動き

最近ではカナダでもアメリカの動きに続き3Dプリントのハブを各地に作ろうという動きが出てきている。

カナダ・トロント市長が新たに発表したところによると、2014年2月4日開設予定で、トロント公共図書館にイノベーションセンターを開設するという。

このデジタルイノベーションセンターは3Dプリンター、3Dスキャナー、Arduino、ラズベリー・パイを備え、デジタルものづくりの拠点にしたい考えだ。

この設備の開設にあたって、44000カナダドル、約400万円の公的資金を投じている。

利用者は格安で3Dプリンター等の設備を使用することができ、最初の2時間は約6カナダドル(約557円)で利用が可能だ。

また、ロボット工学とウェアラブル技術といったテーマの様々なコースが開催され、利用者はデジタル技術を使ったものづくりを体験、学習することができる。

さらにはトロントのメーカー・コミュニティのホームページと提携しており、多くの人が新しいデジタル技術によるものづくりに参加できる仕組みになっている。

トロントの図書館

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まとめ -地域のデジタルイノベーションセンターの役割-

日本でも2013年度の4月に慶應義塾大学で誰でも使える3Dプリンターが導入された。

また美大や専門学校などにおいても3Dプリンターは続々と導入され始めている。教育、特にデザインやものづくりに関わる専門分野の教育においては3Dプリンターの導入はかなり加速して行われており、デジタル教育の普及がなされつつあるとみていい。

3Dプリンターメーカーのストラタシス社も日本の3Dプリンター市場は教育業界が中心になるとみており、今後の更なる普及も期待が持てそうだ。

しかし一方で、アメリカやカナダ、イギリスや北欧諸国は、大学や専門学校以前の中学、高校レベルの教育に3Dプリンターと3DCAD技術を導入し始めている。

また本記事の例にある通り、公共施設である多数の図書館をその地域のデジタルイノベーションの拠点にしようとする動きがなされている。こうした違いは一体なんなのであろうか?

欧米圏の3Dプリンターに対する投資と導入推進は単純な技術の習得を加速させるためとは思えない。

ある意味日本人にはなじみが薄い「ものづくりのオープンソース」という概念が当たり前のように欧米人には存在し、発明イコール多数の人々に開示し、更なる優れたものを作るという価値観が存在していると考えられる。

そのため欧米諸国が躍起になって3Dプリンターを研究し、製造だけではない様々なシーンで導入している狙いは、①デジタルによるモノづくりを学び、②3Dデータをインターネットで共有し、③コミュニティに参画する様々な人々で更なる改良を行い、④競争力を備えたプロダクト開発を行う、というスパイラルを巻き起こそうとしているのではないだろうか。

国家の競争力は経済力によって決まり、経済力は企業の技術開発と製品開発が大きな役割を占め、技術開発と製品開発には人材の総体的な意識改革とレベルアップが欠かすことができない。

欧米諸国はこの基本的原理に忠実に従っているだけなのかもしれない。

我々日本人も技術的な華やかさにばかり目を向けるのではなく、こうした原理に則った本来の導入目的を明確にしたうえで大いに導入するところは進め、意義を理解させる必要があるのだろう。

MakerBotイノベーションセンターの記事はこちらもどうぞ

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