3Dプリンターでジェットエンジンの部品を製造!地球温暖化防止になる?!

ジェットエンジンの部品が3Dプリントされる

ジェットエンジンの排気量は世界のCO2排出量の3%に該当するといわれている。特に近代に入って空の旅が増加している。さらには大手航空会社以外に最近では格安航空会社が参入することでより低価格で旅行ができるようになっている。

年々空の旅が増加することによってジェットエンジンの排気量が大気に与える影響力は増加してきている。二酸化炭素排出に対する対応策として従来の燃料とは違うバイオ燃料のような試みも行われているが最近では3Dプリント技術がCO2排出に効果があるといわれ研究がはじまっている。

ジェットエンジンの製造はCFMインターナショナルが世界最大だ。CFMインターナショナルはGE・アビエーションとフランスのスネクマのジョイントベンチャーで、ジェットエンジンの個々の部品の材料を再考し、3Dプリントを活用することでガスの排出量を減らす研究を開始している。この新しいエンジンはLEAPエンジンといわれ研究開発が行われており、エンジンの高温に耐えられなおかつ、温室ガスの窒素酸化物の生成を防止する金属製ノズルを3Dプリントできるようにするとのことだ。

新素材の採用でCO2排出量15%削減、100万ドルの節約効果

またこのLEAPエンジンの最大の特徴はGEが開発した新セラミック複合材料だ。ジェットエンジンに通常装備される標準のニッケルベースの部品はジェットエンジンが推進する際に発する高温に耐えることができない。そのため溶融しないようにエンジン内の空気を冷却する必要がある。

しかしGEが開発した新セラミック複合材料をニッケルベースの部品の変わりに使用すれば冷却するためのエネルギーを使用する必要はない。そうすることでジェット機がより効率的に燃料を燃焼し、さらに廃棄物の削減をすることができる。

LEAPエンジンはこうした効率的な仕組みを組み合わせた新ジェットエンジンで、従来のジェットエンジンに比べてガソリンの消費量を抑えることが可能だ。具体的には現行モデルよりも燃料消費量が15%少ない設計がされており、航空会社は年間で100万ドルの節約につながってくる。LEAPエンジンはまだ開発中で生産には至っていないが、既に大手航空機メーカー、ボーイング、エアバス、中国の会社COMACなどはすでに新しいエンジンの発注を行っているとのこと。

LEAPエンジン

まとめ

3Dプリンターによる部品製造は航空宇宙産業分野において使用が盛んにおこなわれている。航空宇宙産業における3Dプリントの利用はエアバスの製造を手掛けるEADS社においても行われている。EADS社もパーツ製造の分野において3Dプリンターを利用しており、従来品から3Dプリントできる部品に変更する際の基準としてCO2排出量というのが一つの大きなキーワードだ。

EADS社は9つのプロセスを経て従来品を3Dプリント製品に切り替えており従来品に比べコストを75%、CO2削減を40%まで落とし込むことを可能にしている。今回のジェットエンジンについて3Dプリント部品の採用を可能にしたのは素材の多様性だ。

3Dプリントの素材はもともとは石膏や樹脂がほとんどで、試作品を製造することが目的であったが、金属3Dプリンターでは、最終品を直接作ることができる技術として注目が集まっている。また、ゴム、木材、食品など様々な素材が研究されている。3Dプリント可能な素材はNASAや各研究機関などで研究開発がなされているが。

例えば画期的な素材の例として挙げられるのがグラフェンだ。グラフェンは世界で最も薄く、世界で最も固く、熱伝導性に優れた新素材で、タッチパネルやLEDの分野での使用が期待されている。このグラフェンも素材の研究と同時に3Dプリンターで製造できるようにするための研究を行っているという。新たなジェットエンジンに使用されるGEが開発した新セラミック材料なども3Dプリントするための研究が行われているかもしれない。

今後さまざまな素材が3Dプリンターで利用できるようになれば、よりカスタマイズに対応すると同時に様々な産業分野での製品開発に新たな変革がおきると思われる。

参考記事:3dindustry

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