世界初の複数材料インフレータブル3Dプリントのプロジェクトが公開

3Dプリンターでものづくりを始めるデザイナー

3Dプリント技術が広まることによって、様々な取り組みがなされ始めている。

時にデザイナーにとってのメリットは大きく、3Dプリント技術を利用することでデータから自分で製造をすることが可能になった。

そのためプロダクトデザイナーがデザインするだけではなく、3Dプリントで製品を販売したり、独自の取組を行なったりしている。

本日はデザイナーが行った世界初の複数材料インフレータブル3Dプリントのプロジェクトをご紹介。ちなみにインフレータブルとは空気などを注入することでモノを膨らませて、膜の内圧によって構造を支えて使う膜構造物の総称のことをさす。

従来の3Dプリントで形作られるものはプラスチックやセラミック、金属などが主で、インフレータブルのような柔らかい形状のものはなかなかなかった。

表現の幅を拡大する役割

今回世界初のインフレータブルな3Dプリントプロジェクトに取り組んだのはデザイナーのリチャード·クラークソン氏。

このプロジェクトの目的は、膨らませて3Dプリントされたものを作ることで3Dプリントのデザインや素材の可能性を探ることだとしている。

この3Dプリンターの可能性を示す実験として花のふくらみを3Dプリントしている。この3Dプリントされた花は、内部の花弁など複雑な構造を持つとともに、柔らかいゴム状の樹脂でプリントされている。下記はゴム状の複合材料でプリントされた花の映像。

設計データは花内部の複雑な中空構造を示している

花の子房は異なる色でプリントされている

まとめ

3Dプリンターは技術的に飛躍的に進歩している。

2013年度の末にはフルカラープラスチックの3Dプリンターの発表や、ゴム系材料とプラスチック材料などを複合して3Dプリントできる機器が3Dsystems社からも発表されている。

こうした3Dプリントの技術向上は表現することができるデザインの幅を広げ、同時にオンデマンド生産の使用範囲を拡大する傾向にあると考えられる。

一説では市場調査会社が予測するよりも3Dプリント市場は拡大する方向にもあり、今後いろいろなメーカーやデザイナーが可能性を追求する取組を続々と行うだろう。

今回の花の3Dプリントもゴム状の柔らかさを生かし、花の複雑な構造を上手く表現した取り組みともいえる。

データからダイレクトに出力できる3Dプリントの技術的特長は、ものづくりの現場において、デザインを表現する単純な作業に過ぎないが、デザイナーが従来できなかった製造の部分と、販売の部分を可能にしてくれるかもしれない。

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