金属の3Dプリンターの販売数が76%も向上、拡大し続ける製造業への浸透

3Dプリントのコンサルティング会社 ウォーラース・アソシエイツ

3Dプリンターと、それに付随する市場調査は昨年以降急速に注目を集めつつある。

マッキンゼーやゴールドマンサックス、クレディスイスなど、多くのコンサルティング会社や、金融機関が市場予測とその影響を考察したレポートを発表している。

そんな中でも最も信頼に値するコンサルティング会社がウォーラース・アソシエイツだろう。ウォーラース・アソシエイツは、3Dプリンター業界専門で調査研究を行うコンサルティング企業だ。

ウォーラース・アソシエイツは既に24ヵ国240位以上のクライアントがおり、単なる3Dプリンター市場の調査報告を上げるだけではなく、業界動向、隠れたコスト、競争力強化の提案を行っている。

そんな3Dプリンターと機能性、市場動向に最も詳しい企業が、金属材料の3Dプリンター市場の成長ぶりを発表した。金属材料を扱う3Dプリンターは、製法がSLS方式というレーザーで金属粉末を焼き固める方法をとるが、2012年度から2013年度にむけて驚異的に販売台数が伸びている。

本日は金属材料の3Dプリンター市場の成長規模と、今後の動きをご紹介。

販売台数が76%の成長

下記はウォーラース・アソシエイツが発表している3Dメタルプリンターの販売台数を示したものだ。

一目見てお分かりだが、2013年度に驚異的に伸ばしている。 ちないに2012年度の販売台数は198台だが、2013年度は348台。

これは全世界の販売台数をまとめたものだが、市場の伸びとして75.8%も拡大していることを示している。 3Dメタルプリンターは1台あたり非常に高価なものになると同時に、レーザーを使用し、高温であることから、使用上における安全対策が必須となる。

主な導入が行われた企業としては、GEやエアバスといった航空宇宙産業で盛んであったようだ。

本サイトでもたびたびご紹介させていただいたが、GEやエアバスはジェットエンジンに関する金属パーツの製造を3Dプリンターに切り替えつつある状況。 燃料ノズルや、ブラケット等のパーツ類は、従来の金属加工で製造するよりも3Dプリンターで作った方がコストも安く、性能も向上させることができるためだ。

3Dメタルプリンターの販売台数の推移

メタルプリンター

まとめ ‐更なる拡大が進む‐

3Dメタルプリンターは、今年の2月に、その製法特許であるSLS製法が期限切れになったことから、プラスチックの低価格3Dプリンターと同じように、驚異的に販売台数が伸びるのではないかと言われている。

しかし、当面は、そうした低価格の3Dメタルプリンターが販売されることは難しいかもしれない。というのも3Dメタルプリンターは、レーザー技術を使用することや、非常に高温になることから、取扱上の安全性が求められる。 また、レーザー技術の使用には資格が必要で、一定の技術力と知識を習得した人でなければ扱えるものではない。

こうしたことを考えると、低価格の3Dメタルプリンターで市場規模が拡大することはまだずっと先だろう。 むしろ、現在販売台数を伸ばしている、高額な工業用の3Dメタルプリンターの分野で更なる拡大が見込まれるに違いない。

主な導入先である航空宇宙産業や医療分野では更なる導入が検討されている状況だし、GEなどは、本格的な3Dメタルプリンターの製造体制が整うのは、10年、20年先だからだ。

10年後には全製造のうちの20%から25%を3Dプリンターに切り替え、20年後には50%までこの比率を引き上げようとしている。

導入される3Dプリンターはほぼ金属粉末を扱う機種になる。こうした金属材料の3Dプリンターは更なる拡大をしつつ、あとを追いかけるかたちで、消費者向けの低価格なタイプが徐々に浸透してくるに違いない。

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